みらぽけは、精神科看護とカウンセリングの専門性を併せ持つ、地域でも稀有な訪問看護ステーションです。不登校・引きこもりの子どもとご家族の支援、フリースペースの運営まで手がけています。しかし多くの専門職事業所と同じく、その価値を発信する時間もノウハウも、現場にはありませんでした。
課題:専門性はある。でも、それが伝わる形になっていない
業界の発信を見渡すと、「◯◯の会を開きました」「勉強会に参加しました」という活動報告がほとんど。石井所長は言います。
「『ここはどんなところだろう』と思って見に来た人は、『何々しました』という報告にはあまり興味がないと思うんですよね」
初めて相談する家族が本当に知りたいのは、活動の記録ではなく、「この人たちは、うちの子のことを分かってくれるのか」。そこでTOP LETTERは、石井所長との月次の対話から専門的な知見を親御さんに届く言葉へ翻訳し、「読み込める長文記事+入口としての4コマ漫画」という形で発信し続ける体制をつくりました。所長がやることは、月に一度、話すだけです。
変化①:「良いと聞いて」から始まる問い合わせが、自然に来るようになった
発信を続けるうちに、変化が表れました。直近2週間だけで、新規の問い合わせ電話が3件。いずれも第一声は「みらぽけさんがすごく良いと聞いて」。広告は出していません。SNSで流れてきたコンテンツから、つながりのつながりでホームページに辿り着いた方たちです。
「うちはホームページにお金をかけていないんですよ。かけているように見えるだけで(笑)。でも、コンテンツを経由して来た人は『すごく充実していますね』と言ってくれます」
変化②:相談に来る人が、すでに「決めて」来る
石井所長が挙げた最も大きな変化は、問い合わせの「数」ではなく「質」でした。
「読んでくれた方は安心して来てくれるので、『どんな感じですか?』と探るよりも、ほぼほぼうちで決めた上で相談に来るんですよ」
初回相談の場が「品定めされる場」から「スタートの場」に変わる——コンテンツが、契約前の不安解消と信頼構築を先に済ませてくれている状態です。売り込みが苦手な専門職にとって、これは営業マンを一人雇うことに近い変化です。
なぜ機能したのか:編集方針は「報告ではなく、メッセージ」
- 現場の一場面から始める。一般論ではなく、親御さんが「うちのことだ」と感じる場面を入口に
- 常識をリフレーミングする。「困った行動」を専門知識で「成長のサイン」へと定義し直す
- 4コマ×長文の二段構え。4コマで感情の入口をつくり、長文記事で信頼を積む。この形式は同業他社にほぼ例がなく、それ自体が差別化に
採用への波及(現在検証中)
新規スタッフの採用が続き現在4名体制ですが、コンテンツとの因果はまだデータがなく、石井所長も「募集を出しているわけではないので、まだわからない」と率直です。その上で、こう見立てています。
「利用者が『ここ大丈夫だな』と思えるということは、応募する人も同じ。知らない人に対して安心感があるというのは、利用者も採用も変わらないんじゃないかなと」
この事例が示すこと
小さな専門職事業所にとっての発信の価値は、バズることではありません。「決めた状態のお客様が、静かに、確実に来るようになること」です。みらぽけの変化は、派手さのない、しかし経営に直結する変化でした。
※ 本事例は、みらぽけ様の掲載許可を得て公開しています。引用は取材時の発言に基づきます。成果はお客様の業種・状況により異なり、同様の結果を保証するものではありません。